読書の夏 4. -再読するということ。
2007年 07月 26日
読書の夏。 再読本が続きました。
逢坂剛 「カディスの赤い星」
幸田文 「きもの」
気に入った本というのは、繰り返して読みたくなります。
実際に再読しなくても、いつかまた読みたい、と思って手元に置いておくものです。
自分の書棚にあるだけで嬉しくなり、
たまに数ページ、読むとはなしにめくってみたり。。。
ふん、とあるシーンが脳裏によみがえり、どの辺りだったかしら・・・、と
当たりをつけながら探してみたり。。。
日々を過ごしていて、ふとしたはずみで印象的だった言葉や説明が浮かんだり・・・。
「カディスの赤い星」は、高校生の時に初めて読んだので、もう随分長い付き合い。
これまでも何回となく、繰り返し読み返しています。
こんな風に暑さがやってきた頃に、あの乾いたスペインの風味が懐かしくなるのか、
淡々とした日常が過ぎる中で、大いなる物語に巻き込まれたくなるのか、
その時により色んな理由がありますが、ふ、と読みたくなるんです。
この本は、とにかく勝手知ったる家、さながら。
結末がどうか、ということはもちろん、どういう順でストーリーが進んでいくか、
どの当たりで何が起こるか、どういう素敵な描写がどの当たりにあったか、などなど
あらかた知り尽くしています。
それでも読み進めたくなるのです。
この次にコレがくる!と知りながら進める高みの見物気分。
鮮やかな語り口に陶酔。 切なく、何度読んでも涙がこみ上げるシーン。
あんなに長い物語なのに、いつも読んでる間に疲れることなく一気に行こうとする・・・、
筆の力を感じます!
今回は、同時進行で「綾の鼓」も読んでいたので、
なぜか一時スペイン尽くしで過ごしていました(^^) 心地よい疲労感!
対して「きもの」は、初めて読んでからさほど年月は経っていません。
読み返すのはこれが初めてなので、比較的フレッシュです。
なので、こちらの本は、何となく展開と結末は知りつつ、
おぼろげにしか覚えていないラインが読むにつれてはっきりとする快感。
そうそう、そうだったわ!と記憶の底を揺すり、ストーリーが進んでゆく。
しかも、再読しても、主人公のるつ子やおばあさんのキャラクターは色褪せず、
初めて読んだときの魅力そのままでした。
本当に人物造詣がしっかりしていて、だからこそ、またこの人たちに会いたくなって、
読み終わった本を読み返したりするんでしょうね。
印象的だったシーンは、しかし順序があやふやで、
読んでるうちに突然出てきたりして不意を食らったり(笑)
この本も、何度か読めばきっと「カディス~」のように、次の展開を知りつつ
筆致の美しさ、会話の妙、人物描写などを楽しめるようになるんでしょうね。
少しずつでも、こんな風に後から何度も楽しめる本に
数多く出会って行きたいものです。
逢坂剛 「カディスの赤い星」
幸田文 「きもの」
気に入った本というのは、繰り返して読みたくなります。
実際に再読しなくても、いつかまた読みたい、と思って手元に置いておくものです。
自分の書棚にあるだけで嬉しくなり、
たまに数ページ、読むとはなしにめくってみたり。。。
ふん、とあるシーンが脳裏によみがえり、どの辺りだったかしら・・・、と
当たりをつけながら探してみたり。。。
日々を過ごしていて、ふとしたはずみで印象的だった言葉や説明が浮かんだり・・・。
「カディスの赤い星」は、高校生の時に初めて読んだので、もう随分長い付き合い。
これまでも何回となく、繰り返し読み返しています。
こんな風に暑さがやってきた頃に、あの乾いたスペインの風味が懐かしくなるのか、
淡々とした日常が過ぎる中で、大いなる物語に巻き込まれたくなるのか、
その時により色んな理由がありますが、ふ、と読みたくなるんです。
この本は、とにかく勝手知ったる家、さながら。
結末がどうか、ということはもちろん、どういう順でストーリーが進んでいくか、
どの当たりで何が起こるか、どういう素敵な描写がどの当たりにあったか、などなど
あらかた知り尽くしています。
それでも読み進めたくなるのです。
この次にコレがくる!と知りながら進める高みの見物気分。
鮮やかな語り口に陶酔。 切なく、何度読んでも涙がこみ上げるシーン。
あんなに長い物語なのに、いつも読んでる間に疲れることなく一気に行こうとする・・・、
筆の力を感じます!
今回は、同時進行で「綾の鼓」も読んでいたので、
なぜか一時スペイン尽くしで過ごしていました(^^) 心地よい疲労感!
対して「きもの」は、初めて読んでからさほど年月は経っていません。
読み返すのはこれが初めてなので、比較的フレッシュです。
なので、こちらの本は、何となく展開と結末は知りつつ、
おぼろげにしか覚えていないラインが読むにつれてはっきりとする快感。
そうそう、そうだったわ!と記憶の底を揺すり、ストーリーが進んでゆく。
しかも、再読しても、主人公のるつ子やおばあさんのキャラクターは色褪せず、
初めて読んだときの魅力そのままでした。
本当に人物造詣がしっかりしていて、だからこそ、またこの人たちに会いたくなって、
読み終わった本を読み返したりするんでしょうね。
印象的だったシーンは、しかし順序があやふやで、
読んでるうちに突然出てきたりして不意を食らったり(笑)
この本も、何度か読めばきっと「カディス~」のように、次の展開を知りつつ
筆致の美しさ、会話の妙、人物描写などを楽しめるようになるんでしょうね。
少しずつでも、こんな風に後から何度も楽しめる本に
数多く出会って行きたいものです。
by chocolat_13
| 2007-07-26 21:56
| 本・映画