時を経るということ、その先にあるもの。

週末は実家へ帰ってきています。
普段はあまりTVを見ない方ですが、実家にいるといつもTVがついているので
ついつい何となく一緒に見て過ごしてしまいます。
昨日は偶然、番宣のCMで面白そうな番組を見つけました。
普段は見ない番組なので、ラッキー。

「美の巨人たち」という番組、昨日とりあげていたのは有元利夫さんです。
宮本輝さんの小説の表紙絵が、一般的にもっとも目にする形と説明されていましたが、
古楽好きにとってはDENONで出ている古楽シリーズのブックレットが
一番馴染み深いかも。
ふわりとした空気感を伴う独特の世界、古楽器の音色に違和感なく馴染む感じで
とても素敵、私も大好きです。

有元さんの画風に大きな影響を与えたものに、イタリアで見たフレスコ画があるそうです。
長い時を経て存在することの意味、それが伝えるものは、
できたてのピカピカのものに比せないものがある、と番組では語っていました。
時を経てところどころ欠け落ちた画面、完璧でないことが作り出す意味、美、
そして、現代にありながらその質感を出すことに腐心したと。。。
共感。。。
古楽CDのブックレット絵にピン、と合うのも当然ですね。

古いもの、完全じゃないものに魅力を感じるかどうか、それは人それぞれでしょう。
私がアンティークや古い音楽、絵画に感じる美しさを、
最新のテクノロジーで築き上げたコンピューターや建物に感じる人もいるのでしょう。
どちらが正しくてどちらが良い、ということではないと思いますし、
互いの価値観が違い、相手のものが間違っているということではない、と
理解していることが大事なのでは、と思います。
そういうことを、久しぶりに感じられたのは良かったです。

有元さんが、谷中で育った方だった、というのも好感度アップ。
あの大好きな古き良き日本が根付く地域で、各種職人の息吹を間近に感じて育った、
うらやましい環境です。
そして、38歳という若さで他界、という事実。
10年間の創作活動で残した絵画は371点。
これが創作の数として多いのか少ないのか、私にはわかりません。
ただ、最後に描いた絵は、息子が誕生した頃のものだそうで、
それまでに描かれた絵画とは違う傾向が見出されるものだったようです。
子供を持つという、人間の人生における節目を経て、
彼の絵が新しい局面へ向かっていこうとしていた、
その矢先に亡くなられたことを考えると、とても残念でなりません。
その先にどのような世界が形作られていたのか、今となっては知る由もないのです。
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by chocolat_13 | 2007-11-11 14:56 | ひとり言 | Trackback | Comments(0)

カフェと古楽と着物好きの   お気楽ガンバ弾きの日常です。 


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