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バッハのガンバソナタ。

先日、久しぶりにCDを買いました。
J.S.バッハの3曲のヴィオラ・ダ・ガンバソナタが収録されている
A. ヴェンツィンガー氏の演奏のもの。

August Wenzinger 氏は、古楽復興の初期に活躍された方で、
バーゼルのスコラ・カントルムで教鞭をとっておられたそうです。
サヴァール氏やクイケン氏より前から活躍された方なので、
ヴィオラ・ダ・ガンバを復興された方、といっていいのでは?
教本なども書かれていて、私はそちらの方で先にお名前を拝聴しました。
バッハの録音はさすがにメジャーで、私も数枚持っており、
このCDは、今聴くと時代を感じる風な録音、モダンっぽい古楽という感??
でも、古きよき時代、古楽復興期のバイタリティあるはつらつとした演奏です。

かのバッハは、彼の時代では衰退期にあったであろうガンバのために、
3曲も素敵なソナタを書いています。
この一連の曲を作曲した頃の勤め先、ケーテンの公爵が大のガンバ好きだったことと、
同僚(部下?)に、ガンバ曲の作曲家でも知られるガンバの名手・アーベルがいたこと、
などが、これらのソナタを書いた要因らしいです。
アーベルは、ガンバ音楽最後の作曲家、などと言われていますが、
彼がいなければ、バッハのこの素敵な曲たちも生まれなかったかも??
彼もガンバのための曲をたくさん書いてくれていて、
わりと弾きやすい曲も多いようなので、そのうちトライしてみたいな。
ともあれ、ガンバ音楽の最後にバッハが間に合ってくれて良かったです(^-^)

ソナタは3曲とも素敵な曲です。
第1番は、私がガンバを始めて、まだテナーガンバでキコキコやってた頃、
チェンバロ弾きの友人が、アルト譜だからテナーでも弾けるんじゃない?と
楽譜をくれたので、しばらく練習したことが。
あんな初期の頃にこのソナタを練習するなんて、なんて無謀な・・・(^^;)
それでも、第1番の第1楽章は一見弾きやすいので、
頑張って練習して少し弾けるようになって嬉しかった、という気が(笑)
2楽章以降は全く玉砕、でしたが(^^;)

この一連のソナタの第3番のことを知った時、
私はガンバとの運命的なものを感じてしまいました(笑)
というのも、この曲の第1楽章、もともと随分昔にエアチェックで録音したことがあり、
すっかり大好きになり、いつかやってみたいなぁ~、と思っていた曲なのです。
ガンバをやっていなかった私が、なぜいつかやってみたい、と思うの?
実は、その時に聴いた演奏は、フルート、オーボエ、ファゴットの編成のトリオソナタ。
私はフルートをやっていたので、この曲を吹いてみたい!と思ったのです。
えー、なんでガンバソナタがトリオに??と思われるでしょうが、
この一連のソナタは、一見「ガンバ+通奏低音」というソロソナタのようで、
実質、「ガンバ+チェンバロ+通奏低音」というトリオソナタの性格なんだそうです。
実際に、第1番は元々は2本のフルートと通奏低音、という編成の同じ曲があります。
(こちらも2本のフルートがホロホロと掛け合い、違う魅力があります・笑)
要は、旋律パートの一つをガンバが、もう一つをチェンバロの右手が担当し、
チェンバロの左手が通奏低音パート、ということになるそうです。
なので、トリオソナタに直すのは比較的簡単なのでしょうね。

ガンバの曲と知らずに聴いて、心に残っていた曲が、
実際にガンバを始めてからガンバのための曲だった、と知って、
本当にびっくりしました。
私はトリオ編成の曲だと疑っていなかったのですから(笑)
件の1番のソナタを貸してくれた友人宅でおしゃべりしていて、
ふとした流れから、ずっとやってみたいと思ってたバッハの曲があってさー、
という話になり、「あれ、それはガンバのソナタだよ」と聞かされて
仰天した次第。
無知でお恥ずかしい限りですが(^^;)、その時は本当にびっくりして、
あぁ、私はやっぱりガンバにつながっていたんだ、と勝手に思ったりして
ちょっと運命を感じたのでした。。。(笑)
by chocolat_13 | 2008-05-24 09:56 | 音楽

カフェと古楽と着物好きの   お気楽ガンバ弾きの日常です。 


by chocolat_13
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