2007年 02月 03日 ( 1 )

天の響き。

1月も終わろうかという頃、楽しみにしていたコンサートへ行って来ました(^-^)
メゾソプラノの波多野睦美さんとリュートのつのだたかしさんという、
札幌では珍しい、古楽チックなコンサートでした。

波多野さんは昨年も札幌でコンサートがあったのですが、その際はチェンバロとのデュオ。
今回は伴奏がリュートで、前回よりもより親密で素朴、なのにとても豊かな響きを堪能できる
素晴らしいコンサートでした!
リュートは天の声を表す楽器と言われていますが、今回の組合せは本当にさもありなん、
天の響きを堪能してきた、という感じでした。

前回同様、前半はイギリス歌曲、後半はイタリア歌曲という構成。
前回のイギリスものはパーセルだったのですが、今回はダウランドと古謡という編成。
ダウランドのリュート・ソングが大好きな私には、本当に嬉しいプログラムでした(^^)
1曲目の"Come again" が始まるや、会場は天上の世界になってしまったよう。
それほどふくよかでのびのある美しい声が、ふわっと会場全体に広がっていき
瞬時に日常の雑踏から切り離されました。
会場のザ・ルーテルホールは非常にこじんまりとした、古楽にはうってつけのホールで
大きな会場では掻き消えてしまうであろうリュートの音が、力強く歌声をサポートします。
出だし数曲はダウランド、古楽好きにはとても馴染みの曲目が次々と紡がれます。
合間に入る波多野さんの曲紹介も素敵。 
声楽家の方は、やっぱり声が美しいのですね! 聞いてて耳に心地良い語りです。

次の一くさりはコンサートタイトルでもある"Scarborough fair" や、"Green sleeves" など、
お馴染みのイギリス古謡たち。
うち一曲の"Down by the Sally gardens" は、リコーダーの合奏レパートリーでもあり
グループで演奏する機会の多い曲です。
この歌詞は、リコーダーの長老の方が好んでいつも説明するのですが、
どうも聞いてて??と思っていました。
曰く、愛した女性が、愛をもっと気楽なものと考えましょう、人生を楽しみましょう、と言ったのだが
私は若くて愚かだったので、それを受け入れられなかった、というもの。
でも、原語で歌われてるのを聞いたら、何だかすーっと染みてきたような気がします。
どうも日本語に置き換えると、ヘンにうがって捉えすぎてしまうのかも??

そして前半の残りは、再度ダウランド。 その前に一曲、リュート・ソロが披露されます。 
こちらでは、なかなか生で聴く機会などないリュート、とっても素敵でした(^^)
前半最後の曲、"In darkness let me dwell" は、
非常にダウランドらしい曲、と仰ってましたが、不思議な調子の曲で、私は好きかも~。
"Seaven Tears" の中に、"Semper Dowland semper Dolens" という曲があり、
私はこの曲の幻惑的で不思議な感じが大好きなのですが、これと雰囲気的に似てたような・・・。


後半はイタリア歌曲。 イタリアもののリュート・ソロも数曲入ります。
イギリスものを聴いた後では、古い音楽でもイタリアものはすごくドラマチックに聴こえます。
やっぱりイギリス人とイタリア人、英語とイタリア語の違いが如実に表れているような・・・。
どちらかというと私は、奔放なものよりも抑制の効いたものの方が好きなので、
概してイギリスものの方が好きなのですが、
後半の一曲目に聴いた曲は、このコンサートで一番面白かったです。
Tarquino Merula という人の曲で、"Hor che tempo di dormire"
聴いてても歌詞の詳細な意味はわからないのですが、曲は聖母マリアの子守唄だそうです。
説明では、マリアがイエスに向かって歌っている子守唄、とのことで、
最初は普通の子守唄同様、「よくお眠りなさい」といった調子なのですが、そこは特別な親子、
段々と、この先あなたの人生には茨の道が待っているのだから、
せめて今は私の手の中で、他の子供と同じように安らかに眠っておくれ、
というような、なんともドラマチックな内容なのだそうです。
そんな詞の歌だからか、出だしのリュートからしてすごく不穏な感じの和音の連続。
どうも心ざわめく響きが何度も繰り返され、それは曲全体を通して紡がれていきます。
歌が入ってからも、かなり中東なんかの民族調な感じの不思議な響きと旋律。 
子守唄なので全体に抑えた調子で、そんな雰囲気の旋律が延々続いていく感じで、
7-8分と、歌にしては長いらしいという曲だったのですが、
長さを感じさせない緊張感を伴った素敵な曲、素敵な演奏でした!

最後のアンコールは、日本の歌を2曲。
今回のコンサート、英語の歌詞は何となくはわかるけど、イタリア語はほとんどわからず、
やっぱり歌詞のわかるわからないって、結構違うかも、と思っていたのですが、
日本語の曲は文句なく歌詞がわかるし、母音の多い日本語に合う曲調は静かでおおらかで、
何だかとてもよかったです。
日本語の曲も、たまに聴くと良いものですね(^-^)
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by chocolat_13 | 2007-02-03 22:29 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

カフェと古楽と着物好きの   お気楽ガンバ弾きの日常です。 


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