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飛行機への楽器持込レポート。

8月終盤、関東某都市で開催のアンサンブル合宿へ参加いたしました。
久々に楽器持参で飛行機に乗りましたので、昨今の飛行機楽器持込事情を、
ご参考までにまとめておきます。

結論から言うと、チェロサイズの楽器は、
保険をかけて手荷物預けで十分ではないかと思いました。
もちろん、プロフェッショナルな方やお金に余裕のある方は、
AB券を購入して機内に持ち込むのが一番よいけど、
千歳-羽田間の最安値が9,000円代の昨今は、
自分の席より楽器の席の方が高くなる可能性大、です。




○経緯
2008年、航空各社の手荷物規制改定により、
それまでの預け荷物での「手渡し」という条件が原則廃止となり、
全ての預け荷物はベルトコンベアに載せられて出てくるということになりました。
同時に、大きな楽器を機内に持ち込む際に一席を購入するAB券は、
あいまいな価格設定だったのが、各社一律10,000円に設定されました。

○手荷物預けの現状
当初は全く特別扱いの色のなかった楽器の手荷物預けですが、
やはり不具合や苦情があったのか、ある頃から、
航空各社で楽器用のケースというのを用意するようになったようです。
段ボールのようなつくりの紙の箱で、
中にケースごと入れた楽器をベルトで固定してくれるそうです。
このケースは、Vnなどの小型楽器用、ギターなどの中型楽器用とありますが、
その上のサイズだと、いきなりコントラバス用のでかいケースになってしまいます。
チェロサイズの楽器は、この中型楽器用には納まらないので、
普通の手荷物として預けるか、コンバスケースを利用するか、AB券を買うか、
という選択肢から選ぶことになります。

コンバス用のケースは、紙ではなく金属製の相当でかくてがっしりした箱で、
宝島などで発見されそうな外見をしています。
これに楽器ケースごと預けるというのはかなり安全なようですが、
ケース自体が非常に重くて45kgと、
手荷物の制限重量である一人20kgを軽く超えてしまいます。
超えた分は超過料金がかかりますが、
今回、行きの飛行機でコンバスケースに預けてみて、
私の6kgのケース入り楽器を加算すると51kg、超過料金は5,000円でした。
一席買うのの半額で済むとはいえ、余計な出費には変わりありません。

一方で、手渡し預かりは廃止した、と、航空会社の方は仰いますが、
裏技がありました。
それは、保険をかけて預ける、という方法。
コンバスケースで預けた際に、保険をかけるかどうか聞かれて確認してみると、
保険料は小額だったので、一応かけておきました。
帰りの飛行機では、またコンバスケースを利用しようかどうか、迷ったのですが、
行きに保険をかけたことを思い出し、保険をかけて手荷物として預けることにしてみました。
すると、預けた荷物は手渡しが保証される、とのこと。
保険については、通常預かる荷物の補償額は15万円が上限だそうで、
それ以上の保障を希望する場合は、従価料金で保険をかける必要があります。
50万円くらいの保障を希望なら、15万円までは通常でカバーされ、
差額分の保障の保険料は300円程度。
これだと、規制改定前と同じ条件(手渡しでの手荷物預け)で、
いざという時の保証がプラスされる条件で預けられます。
絶対大丈夫、という保証はないですが、
総合的には一番リーズナブルな方法ではないかなぁ、と思いました。

今回、航空会社の方とお話した感じでは、
バスガンバはコンベアに乗る大きさを超えているので、
普通の手荷物として預けても、通常のコンベアに乗って出てくることはないのでは?という印象を受けました。
(楽器ケースが利用できる前にトレブルガンバを預けた友人は、
見事にコンベアに乗ってスーツケースなどと一緒に出てきたそうですが)
ただ、確実ではありませんし、普通の手荷物で預けようとすると、
手渡しで扱ってくれるとは、航空会社側は絶対に言いません。
楽器ケースを利用した場合は、通常の手荷物用のコンベアとは別の、
流れが遅く傾斜がゆるやかなコンベアに乗せる、と言っていましたが、
通常の手荷物として預けると、そちらには乗らない、とも言われました。
どこまで厳密にそのような扱いの区別が設けられているのかは謎ですが、
担当者もうっかりしたことは言えないでしょうから、
マニュアル的な回答になるのはいたし方ないかも。


以上、今回の千歳-羽田往復にて私が体験した内容です。
楽器を預ける方は少なくはないでしょうが、やはり頻繁にいる客ではないようなので、航空会社側の説明は、なかなか要領を得ません。
(特に、電話での問い合わせ対応)
一番しっかりした説明をいただけたのは、羽田空港の担当者さん。
やはり、大きな空港で、件数もこなしているかと思いますので、
説明も具体的で的確で、わかりやすかったです。


私としては、この時点での結論では、
個人でレッスンや講習会目的で大きい楽器を持って飛行機に乗る場合は、
保険をかけて手荷物として預ける、という方法で十分じゃないか、
と思いました。
ただ、もし誰か同行する連れがいる場合は、
手荷物の重量制限は、二人で40kg分として扱ってくれるようです。
コンバスケースを一人で借りると、30kg分の超過料金がかかりますが、
連れがいる場合は、二人分40kgからの超過料金10kg分で済みますので、
1,000円ちょっとで預けられると思います。
連れが二人いれば、60kgの制限になりますので、
無料でコンバスケースが利用できます。
この場合は、こちらの方が良いかな、と思います。
コンバスケースの利用は、航空券購入時にケース利用を予約して、
チェックインは1時間以上前にしなければならない、など、ちょっと面倒ですが、
やはりがっしりとした大きな箱に守られるので、安心感は大きいです。
チェロサイズの楽器を入れると、ケースの方が全然大きいのですが、
中でベルトで固定されて、残りの空間はプチプチの緩衝材で埋められます。
ただ、箱は、棺桶ですかー!?というような外観で(写真を撮ればヨカッタ)、
確かにコレに入れてもらえば大丈夫だろう、という妙な安心感があるも、
羽田の手荷物回収場で、通常のレーンの並びの一番はずれにある、
専用出口からケースが出てくる様を見ていると・・・、
まさに焼き場から出てくる棺のよう・・・(^^;)
コンベアから床への移動は、係員二人がかりで持ち上げて静かに下ろし、
さて、ふたを開けると緩衝材の山で、
その中をかき分けて現れるガンバケースは、まさに花に埋もれたご遺体のようで・・・、何か神妙になってしまった・・・(V_V)
・・・ともあれ、楽器は無事でした。


以上、楽器持ち込み搭乗レポートでした。
こちらは2011年8月現在の情報です。
航空各社の扱いは、随時変わっているようなので、
都度、事前に確認がベターかと。

保安強化の必要はわかりますが、何とか利用しやすい形で利用できると、
レッスンや講習会も、もう少し敷居が低くなるのですが・・・と思います。
by chocolat_13 | 2011-09-06 07:04 | 音楽

カフェと古楽と着物好きの   お気楽ガンバ弾きの日常です。 


by chocolat_13
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